オンライン授業とは|必要なものや、塾での実施内容について解説
2021.01.27
オンライン授業とは、通信機器とネット回線を使って、自宅などで受講できる授業のことです。
通塾の手間が省けるなどのメリットがある一方で、通信機器や通信環境を準備する手間や、疲れ目などの健康面への影響が心配されます。
本記事では、オンライン授業の概要や塾での実施例、オンライン授業にまつわるよくある疑問について紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
目次
オンライン授業とは
オンライン授業とは、通信機器とネット回線を使って、遠隔で受講する授業のことです。
塾のオンライン授業においては、
- 通塾する手間が省ける
- 自宅など、教室以外の場所で 受講できる
といったメリットがありますが、その一方で
- 通信機器をそろえなければならない
- 慣れるまで時間がかかる
といったデメリットも挙げられます。
そして、オンライン授業は大きく分けて
- オンデマンド型授業
- 同時双方向型授業
の、2種類の形式があります。
オンデマンド型授業とは「録画映像を視聴する」授業
オンデマンド型授業とは、一言でいえば「録画された映像を視聴する」授業になります。
塾は、事前に録画した授業の映像と、授業に必要な資料をインターネット上にアップします(塾生限定公開などの設定のところが多いです)。
生徒は、通信機器とネット回線があれば、アップされたものを、自宅からでもファミレスやカフェからでも視聴でき、基本的には何度でも見返すことができます。
同時双方向型授業とは「リアルタイムでやりとりができる」授業
同時双方向型授業とは、一言でいえば、ビデオ通話のような「リアルタイムでやりとりができる」授業になります。
通常の教室での授業と同様に、講師がリアルタイムで板書をしたり、生徒に指示を出したりして授業を進めます。
通信状態にあるので、生徒はチャットなどを用いて質問することができます。
設定次第では、講師との通信状態をキープしたまま、生徒側の映像や音声の送信を一時的に停止することも可能です。
オンライン授業に必要なもの
オンライン授業を受講するにあたって必要なものは
- 通信機器
- ネット回線
です。
通信機器は、スマートフォンやパソコン、タブレットなど。
いずれも「マイク機能」「スピーカー機能」「カメラ機能」が必要で、もし備え付けられていない場合は、別途用意して接続する必要があります。
また、自宅で集中して受講したい場合や、外出先でも受講したい場合には、イヤホンも必要になります。
ネット回線は、固定回線やWi-Fiが利用できると安心です。
スマートフォンなどで使用される、データ通信(ギガ、GB)でも大丈夫ですが、こちらは多くの場合で月間通信容量の上限があるため、超過すると通信速度が遅くなる可能性もあるので注意しましょう。
塾のオンライン授業
塾でのオンライン授業は、
- 教室で行う授業と同様に「同時双方向型授業」で行う形式
- 授業前や、授業の最初に「オンデマンド型授業」で学習し、つまずいたところを「同時双方向型授業」でサポートする形式
- 「オンデマンド型授業」のみを提供し、わからないところは問題の難易度を下げ、繰り返し学習させる形式
といった例が挙げられます。
「教室で行う授業と同様に『同時双方向型授業』で行う形式」は、集団指導や個別指導など、いずれの指導形式でも実施されます。メリットとしては、オンライン授業でありながら、教室で授業を受けているかのようにリアルタイムで質問できる点が挙げられます。
しかし、教室とは異なるのが、集団で受講していたとしても、ほかの生徒と相談がしにくい点です。また、講師側が、一人ひとりの理解度や解答状況を目視で確認することが難しく、声かけによる確認が中心となるため、生徒のつまずきに気付くのが遅れる可能性もあります。
「授業前や、授業の最初に『オンデマンド型授業』で学習し、つまずいたところを『同時双方向型授業』でサポートする形式」も、集団指導、個別指導いずれの指導形式でも行われます。メリットとしては、実質的に「オンデマンド型授業」は予習、「同時双方向型授業」は復習となるため、オンラインでも手厚い指導が受けられる点が挙げられます。
しかし、手厚い指導の分、授業料が高くなったり授業時間が長くなったりする可能性があります。
「『オンデマンド型授業』のみを提供し、わからないところは問題の難易度を下げ、繰り返し学習させる形式」は、特に個別指導塾で提供されます。メリットとしては、生徒が自分のペースで学習できる点や、スキマ時間などでも学習を進められる点が挙げられます。
しかし、自習の要素が強いため、生徒の頑張りに依存することになってしまいます。
オンライン自習室とは
塾によっては、「オンライン自習室」というものを開講しているところもあります。
オンライン自習室とは、自宅や外出先で通信状態をキープしたまま、宿題や課題などを自分で行うことを指します。
「同時双方向型授業」のように、講師が解説を行ったり、常にサポート体制を敷いたりしているわけではありませんが、誰かに見られているという緊張感や誰かと同時に学習をしているという意識から、一人で自習するよりも集中しやすいという声もあるようです。
オンライン授業にまつわるよくある疑問
ここでは、オンライン授業にまつわるよくある疑問について、解説していきます。
スマホやタブレットでも受講できるの?
スマートフォンやタブレットでも、オンライン授業の受講が可能な塾は多いです。
しかし、画面のサイズが小さいと映像が見づらいことや、大容量のデータ通信の必要性なども考えると、ある程度、高性能な通信機器やパソコンのほうが安心でしょう。
データ通信容量(ギガ、GB)はどれくらい必要?
スマートフォンでオンライン授業を受ける場合、スマートフォンのデータ通信を使用することもあるかもしれません。
東京大学大学院人文社会系研究科准教授の大向一輝氏の調査によると、Zoomを使用した場合、1時間のカメラ映像と音声の通信で200MB(メガバイト)~300MB超*。
1GB(ギガバイト)あたり1000MBなので、映像と音声をつないだオンライン授業を3~4時間ほど受けると、1GBを消費する計算となります。
ちなみに、映像をあまり使用しない場合や、資料やテキストの画面共有と音声のみの場合であれば、消費するデータ通信容量は少なくなります。
オンライン授業がつらい時やしんどい時の対策は?
オンライン授業の辛さやしんどさとしては
- 気分や体調が悪くなる
- 耳や腰が痛くなる
- 眠くなる、だらけてしまう
といったことが挙げられます。
オンライン授業を受けていて、気分や体調が悪くなる場合は、画面の注視や切り替えなどにともなう、目の疲労が原因となっている可能性があります。
文部科学省は「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック*」にて、長時間集中してタブレットPCなどを見続けることによるドライアイや、疲れ目のリスクを紹介しています。塾側に事情を伝えて、適度に休憩しながら、受講するようにしましょう。
耳が痛くなる場合は、付けているイヤホンとの相性が良くないことが考えられます。
腰や首などの体の痛みは、使用している椅子や机などの高さが合っていないことや姿勢が悪いことなどが考えられます。いずれにしても、受講時の学習環境を自分に合うように調整するのが先決です。
また、先ほど紹介した文部科学省のガイドブック*に、「背中を伸ばす 」「深く腰掛ける」など、姿勢についての紹介があるので、こちらも参考にしてみてください。
眠くなる、だらけてしまう場合には、
- ノートを取って手を動かす
- 目薬をさす
- 楽しいことを考えるようにする
といった対策*をしましょう。
これは、美作市スポーツ医療看護専門学校の学生スタッフさんが、在校生向けに実施したアンケートで、「眠気覚ましの方法 授業中にやっていること」の上位3つです。
ほかにも、授業時間中はスマートフォンの電源を切ったり(スマートフォンで受講している場合には通知を切る)、机まわりの学習環境を整えたりするなどして、集中力を切らさないための対策を行いましょう。
家にネット回線がない! 家のWi-Fiが不安定! という時の対策は?
家にネット回線(固定回線やWi-Fi)がない場合は、スマートフォンで受講できる塾のオンライン授業を選びましょう。
ただし、データ通信容量(ギガ、GB)を消費してしまうので、残りの容量や料金などはこまめにチェックするようにしましょう。
また、家のWi-Fiが不安定な場合には
- Wi-Fiの通信環境や設定を見直す
- 有線LANでつなぐ
という対策方法が挙げられます。
ケーブルなどがないモバイルWi-Fiルーターは、建物や壁によって電波が弱まってしまうといわれており、窓際に置くことで改善される可能性があります。
また、接続している電波によっては、家電の影響を受けてしまうこともあるので、接続設定も見直してみましょう。
ほかにも、やや強引ですが、通信機器を有線LANケーブルで接続するという方法も挙げられます。
スマートフォンやタブレットの場合だと、接続端子を変換するアダプター等が必要になり、使用できる距離もケーブルが届く範囲に限られてしまいますが、安定性はWi-Fiに勝るはずです。
まとめ
オンライン授業は、多くの塾で実施されています。
最初は戸惑うかもしれませんが、慣れれば当たり前のように学習ができるはずです。
また、塾ログでは、オンラインで体験授業を受けられる(リモート体験授業と呼称しています)塾を特集しています。
こちらもぜひ見てみてください!
参考:
*2020年4月22日更新 「オンライン講義の通信量」 Zoomの通信量の実測値(1時間あたりに換算)大向一輝(東京大学大学院人文社会系研究科准教授)
*「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」文部科学省
*2019年6月2日「授業中の居眠り対策 アンケート調査してみた」美作市スポーツ医療看護専門学校