学童保育は選ぶ時代 !?早期対策で小1の壁を乗り越えよう
2023.01.23
子どもの小学校入学を機に、「小1の壁」という言葉を耳にしたことはありませんか?
「小1の壁」とは 、おもに共働き家庭が子どもの小学校入学を期に直面する問題を指します。
子どもだけではなく、保護者の生活も劇的に変化するのがこの時期です。
場合によっては、仕事と育児の両立が難しくなり、退職や働き方の変更を余儀なくされるケースもあります。
この記事では、「小1の壁」と評される問題を浮き彫りにし、その対応策もご紹介します。
問題の詳細を事前に知っておくことで、小学校入学後の変化に柔軟に対応しながら「小1の壁」を乗り越えましょう。
目次
小1の壁を乗り越える
小学校低学年の子どもが学校で過ごす時間は年間約1,200時間 、これに対して長期休みを含め放課後に過ごす時間は年間約1,600時間もあります。
この1,600時間のうち、保護者が留守にしている時間をどこでどう過ごすかが鍵になってきます。
ただ子どもを預かってもらうだけではなく、子どもが安全かつ安心に過ごし、豊かな体験を育める環境を用意することが重要であり、保護者にとって苦慮する点ではないでしょうか。
ここではまず、具体的な問題点を洗い出し、小学校入学前にやっておくべきことと、小学校入学後にやるべきことをご紹介します。
「小1の壁」の7つの問題点
小学校の登校時間は朝8時前後であることが多く、保護者のほうが先に家を出なければならない場合があります。
子どもが家を出る時間には保護者が不在のため、一人で戸締りをしなければなりません。
また、保護者と一緒に早めに家を出たとしても、学校がまだ開いていない、教室に誰もいないという事態も想定されます。
預かり時間を延長する「延長保育」という制度が学童保育にはなく、18時前後で閉園する場合が多いため、お迎えに間に合わない可能性があります。
兄弟姉妹がいる場合は、学童保育と保育園、両方のお迎えが必要になってしまいます。
時短勤務の条件が小学校入学前までとなっている会社が多く、お迎えに間に合わなくなる場合や、「小学生になれば育児も楽になるだろう」という認識から職場での理解が得にくい場合もあります。
小学校には、夏休みや冬休みなどの長期休暇があり、日中の子どもの預け先を見つけなければなりません。
長期休みだけ学童保育を利用するという選択肢もありますが、定員制限のため受け入れ不可となっている学童保育も多く、狭き門となっています。
学童保育に預けられたとしても、お弁当などの用意が必要になり、保護者がますます時間に追われてしまう場合もあります。
また、インフルエンザなどの感染症が流行る時期は学級閉鎖で急にお休みになる場合もあり、緊急時の預け先も確保しておく必要があります。
平日に行われる行事が多く、子ども会や登下校の見守りなど当番制で参加しなければならない場合もあります。
学校からのお手紙や時間割の確認だけではなく、勉強や宿題の確認、体操服、給食セット、習字道具など学用品の準備もフォローが必要です。
公立の学童保育は定員制のため、地域によっては入れない場合もあり、民間の学童保育への入所も検討しておかなければなりません。
小1になるまでにやっておくこと
小学校によって下校時間や年間行事のスケジュールは異なるため、早めに確認しておくことをおすすめします。
小学校のホームページや入学前説明会で情報収集したり、すでに小学校に通われている先輩の保護者や学童保育の指導員に話を聞いたりしてみましょう。
平日の学校行事の参加や子どものための勤務調整は、実情としては母親に偏りがちな傾向があり、子育ては母親主体の家庭が多いのも事実です。
とくに小学校に入学してからの1年間は、新しい環境に慣れるまでさまざまな問題が起こります。
母親が子育て担当、父親が経済力担当となった場合、母親は休みが増えたことが原因でキャリアを諦め、これまでどおりの働き方を続けられなくなる可能性もあります。
「自分ばかりがすべてを犠牲にしている」という不満を抱えたまま子育てをしていると、いずれは家庭内不和に陥ってしまうかもしれません。
今後のキャリアプランをどう描くか、仕事と育児の割合をどう分担するか、夫婦で話し合い、共通認識をもっておきましょう。
共働きを前提とするのであれば、ワーク・ライフ・バランスを柔軟に考え、どちらかに負担が偏らないようにすることが重要です。
夫婦にとってベストなライフスタイルは各家庭によって異なりますが、父親も子育ての当事者であることは間違いありません。
家庭内でも、宿題や勉強のフォロー、持ち物の準備など、やらなければならないことがたくさんあります。
しかし、役割分担を漠然としか決めていないと、認識のずれから不満が蓄積してしまいがちです。家事、育児のやるべきことをリストアップし、事前に細かく分担を決めておくことが夫婦円満の秘訣です。
また、祖父母が近くに住んでいる場合は、「いつ」「どの程度」協力してもらえるか も早めに相談しておきましょう。
会社の就業規則は、従業員ならだれでも閲覧できるはずです。
フレックス制度やリモートワーク、在宅勤務など、どのような働き方が可能か確認してみましょう。
早めに上司や人事に相談しておくと理解や協力を得やすいかもしれません。
学童保育にも、さまざまな選択肢があります。
民間の学童保育のほうが公立の学童保育よりも預かり時間が長く、設備や学習環境が充実している場合が多いですが、料金は民間のほうが高い傾向があります。
公立の学童保育と民間の学童保育の併用など、いろいろなパターンを検討してみましょう。(参照:2.学童保育)
申し込み前に説明会や見学や体験ができるところもあります。
ただし、人気の施設は申し込み期間が早く、先着順となる場合もあります。
早めにリサーチを開始しておきましょう。
同じクラスや近所の友だちの保護者と、気軽に情報交換しやすい関係を構築しておきましょう。
小学校低学年のうちは 、連絡帳に書いた内容を本人もあまり理解しておらず、必要な連絡事項が保護者に伝わらない場合もあります。
また、学校から保護者宛に渡されたプリントが子どものランドセルの中で眠っていた!なんてこともありえます。
日ごろからママ友やパパ友などと「来月は参観日があるね」「遠足の準備もしておかなきゃね」など、会話の中で情報共有できるようにしておくと安心です。
自治体が実施している子育て支援制度では、急な残業や冠婚葬祭、兄弟姉妹の学校行事、通院や急用の際の一時預かりや、保育施設の開始前や終了後の預かり、保育施設への送迎など、多様な支援があります。
利用する前に認定を受ける必要があるか、支援内容、保育料など、自治体によって制度は異なります。
前もって、お住まいの自治体の制度を確認しておきましょう。
時間に余裕がある休みの日などに、小学校生活をシミュレーションし、少しずつ小学生の生活リズムにならしておきましょう。
子どもの行動習慣はすぐには身につかないので、できるだけ早めにはじめることをおすすめします。
- 前日に時間割をみて持ち物を準備し、鞄に入れる
お絵かきセット、文房具セットなど、必要なものをセットにしてまとめておくと準備しやすいです。 - 入学後の起床時間に起きる
朝食を食べ、着替えをし、準備した鞄を持って 、実際に通学路を歩いてみましょう。
ランドセルを購入済みの場合は、ランドセルに荷物をいれて背負ってみるのもよいでしょう。通学路を歩きながら、危険な場所や通学路の道順などを親子で一緒に確認しましょう。
- 帰宅後にやることを決める
連絡帳やプリントや洗濯物をだす、宿題をする、などやることを決め、見える化しましょう。
リストにして貼っておく、チェックをつけるなどしておくと、習慣化へ導きやすいです。ほかにも、忘れ物をしたとき、困ったときなど、小学校生活で起こりそうなできごとの対処法や約束ごと、緊急時の連絡手段や連絡方法などを覚えさせておくと安心です。
小学校1年生の4月中旬ごろから宿題がはじまる学校が多いです。
宿題の内容はおもに、計算やひらがなや漢字の練習、教科書の音読などです。
入学前から勉強習慣をつけるためには、起床後や就寝前などの決まった時間に、幼児向けのドリルなどに取り組んでみましょう。
はじめはかんたんな内容からで大丈夫です。
また、夕飯の支度中に、台所の近くで音読をしてもらうのもおすすめです。
お気に入りの絵本なら子どもも楽しんで取り組めることでしょう。
大切なのは、子どものモチベーションを維持することです。
とにかく「ほめる」「楽しませる」ことを意識しましょう。
どうしても子どもがやる気にならないときは、ごほうび作戦も有効です。
食事中や入浴中に子どもとコミュニケーションをとるようにしましょう。
ひらがなが書けるようになったら、勉強の習慣化のためにも今日のできごとを日記や手紙に書いてもらうようにし、通勤時間や休憩時間に返事を書く、花丸をつけるなどすると子どもも楽しみながら、保護者の負担も少なく続けられます。
小1になってから考えること
自治体によっては、学童保育の利用開始日が入学式以降に設定されているところもあります。
その場合、4月1日から入学式までの子どもの預け先を探さなければなりません。
夫婦で仕事のスケジュールを調整したりや、一時預かりができるサポートやサービスを探す必要があります。
夏休みや冬休みなどの長期休暇中は、子どもの昼食をどうするか想定しておく必要があります。
学童保育でもお弁当の持参が必要となるところは多いですが、毎日のお弁当作りはなかなか大変ではないでしょうか。
保護者の負担を減らすために、冷凍食品や作り置き、夕食のおかずを多めに作っておくなど、適度な手ぬきで工夫してみましょう。
月曜日は唐揚げ、火曜日はハンバーグなど、ルーティン化するのもメニューを考える手間が省けておすすめです。
インフルエンザなどの感染症が流行し学級閉鎖となった場合や警報が出た場合、学童保育に預けられないケースもあります。(学童保育に学級閉鎖時や災害時の対応を確認しましょう。)
一時保育や外部機関を利用する場合は、事前の登録が必要になるかもしれません。あらかじめ確認しておきましょう。
PTA活動や保護者会、参観日、当番制の子ども会や交通当番など平日に参加しなければならない行事がたくさんあります。
優先順位を決め、無理のない範囲で参加して乗りきりましょう。
強制でなければすべてに参加する必要はありません。
PTA活動や保護者会は学校によってルールが違います。子ども会や交通当番も地域によってさまざまです。
前もって仕組みを確認し、負担にならない学年で参加できないか、1年間でどれぐらいの回数があるかなどを確認し、職場でも前もって相談しておくと休みやすいかもしれません。
子どもから突然、「明日、工作でペットボトルがいる」と言われ、慌ててコンビニエンスストアに買いに行くなど、よくある話かと思います。
そうならないよう、すでに小学校に通われている先輩の保護者に教えてもらうなどして、必要となりそうなもの はあらかじめ用意しておくとよいでしょう。
子ども用軍手、折り紙、紙コップ、トイレットペーパーやラップの芯、牛乳パック、ティッシュなどの空き箱、工作用モール などがよく使われるようです。
小学生の工作で使われるものは、たいてい100円均一ショップで売られています。
学童保育
日本の共働き世帯は、年々増加し、専業主婦世帯の2倍以上になっています。
それをうけ、公共の学童保育は年々増設され、送迎つきや英語学習などさまざまな特徴をもつ民間の学童保育も増加しています。
異なる年齢の子どもとのかかわりをもつ学童保育は、社会性やコミュニケーション能力を発達させます。
生活の中でたくさんの時間を占める小学生の放課後の時間をどのように過ごすか、これからは「学童を選ぶ時代」となるのかもしれません。
ここでは、多岐にわたる学童保育の種類やサービス内容をご紹介します。
学童保育の種類
小学校の敷地内や近くにあることが多く、通いやすく、同じ小学校の友だちが多いため安心です。
18時前後に閉所し、土日や祝日は休みの場合もあります。
民営の施設に比べ利用料が安く、4,000円~10,000円で利用できる場合が多いです。
約40名の児童に対して2名以上の学童指導員が配置されています。
宿題は学童保育の時間内にすませることが多いですが、サポートはありません。
入所するには、就労証明書や入院などの証明書が必要です。
待機児童がいる地域では、より必要性の高い家庭が優先されることもあります。
小学6年生まで通える施設と小学3年生や4年生までの施設があります。各自治体の学童保育に確認しましょう。
送迎や食事つき、英語 などの学習講座など、公立の学童保育よりも設備や内容が優れており、幅広いニーズに対応している場合が多いです。
大手学習塾が運営している学童保育もあります。
19時まで預かってもらえるところが多く、延長保育や早朝の利用も可能である場合もあります。
一方で、料金は30,000~70,000円と高めです。
学童保育の申し込み方法
自治体によって申し込み時期や提出書類(利用申請書や就労証明書など)が異なります。
年長の11月~翌年1月に受付が行われる自治体が多いようですが、先着順や選考がある場合、3月に2次募集を行う地域もあります。
早めに希望する学童保育に確認しましょう。
各施設によって異なります。
人数制限がある施設や人気がある施設は1年以上前に受付が終了する場合や、年少から仮入会を受け付けている施設、年少や年中で入会説明会がある施設もあります。
入会には説明会や体験の参加が条件の施設もあります。
早めに説明会の参加や資料請求だけでもしておきましょう。
※さまざまな習いごと教室と連携し提供している施設もあります。
年会費(施設使用料)おおよそ10,000円
週5日おおよそ50,000円 夏休みおおよそ60,000円
学童保育の選び方 6つのポイント
月々の支払い以外に、入会費や年間施設使用料などがあります。
オプションの延長時間や食事などの料金の確認も忘れずにしましょう。
学童保育に求めることを明確にし、優先順位を決めて選びましょう。
早朝の預かり、延長保育の時間、一時預かりなど緊急の場合にいつまでに申し込めば可能か、料金も合わせ確認しておきましょう。
一人ひとりにきちんと対応できるかが重要です。子どもが指導員に相談しやすい環境であると安心です。
人気施設では、キャンセル待ちや急な預かりに対応できない場合もあります。
「入所したら1年生がひとりだった」「男子ばかりだった」などとならないために、利用者の学年や男女の比率も確認しておきましょう。
子ども が楽しいと思い、安心して過ごせることが最優先です。
見学会や体験会を開催している施設もあります。ぜひ、参加してみましょう。
宿題をどの程度サポートしてくれるかを確認しましょう。
学習講座や、長期休みにキャンプなどを実施している施設もあります。
料金と合わせ、どのような内容があるか確認しましょう。
公立の学童保育と民間の学童保育 を併用することも可能です。
早朝に預けたい場合や急な残業のときだけ一時預かりを利用する、英語や習字など習いごとをしたい日に週1日だけ民間の学童保育を利用するなど、料金と目的に合わせていろいろなパターンを検討しましょう。
一時預かり1,000円/1時間、学習講座6,000円/週1日1時間で計算
公立学童の保育料 おおよそ4,000円~10,000円
民間学童の一時預かり おおよそ1,000円×20日=20,000円
合計おおよそ24,000円~30,000円
公立学童の一時預かり おおよそ4,000円~10,000円
民間学童の英語学習1時間 おおよそ6,000円
民間学童のサッカー1時間 おおよそ6,000円
合計おおよそ16,000円~22,000円
公立学童の保育料 おおよそ4,000円~10,000円
民間学童の一時預かり おおよそ1,000円×2時間×12日=24,000円
合計おおよそ38,000円~34,000円
緊急、短時間の留守番 の準備
緊急や急用で預ける場所がないときのために、短時間の留守番 ができるように約束ごとを決め、留守番練習をしておくと保護者の不安を軽減できます。
約束ごとはリストにし、いつでも確認できるように部屋の壁に貼っておきましょう。
留守番に飽きてしまわないように、オンラインでの塾や英語学習などもおすすめです。
編集後記
「小1の壁」は、共働き世帯が増えてきたからこそ顕在化した問題といえます。
もしも、家事や育児の分担を「自分のほうが稼いでいる」「自分のほうが責任のある仕事をしている」といった優劣をつけて決めてしまえば、家庭内で立場が弱いほうが追いつめられ、「小1の壁」はより高いものとなってしまうのではないでしょうか。
家族の幸せを願う気持ちが同じなのであれば、あらゆる選択肢を視野にいれ、「我が家にとってベストなライフスタイル」を夫婦で見いだして いきましょう。
この記事が、そのための情報提供としてお役に立てれば幸いです。
困難を乗り越えれば、家族の絆はより強くなることでしょう。 家族で一丸となって「小1の壁」を家族で乗り越えましょう!
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