大学受験に塾は必要か|悩めるキミに知ってほしい、塾のメリットと選び方
2020.12.16
「大学受験って、塾に行く必要あるの?」と疑問に思ったキミへ。
確かに、独学であったり、学校の授業や学校からのサポートのみで、志望校に合格している人もいますよね。
通塾すると、お金がかかるというデメリットも否定はできません。
ただ、メリットがあることも事実です。
というわけで、本記事では大学受験における塾の必要性や、メリット・デメリット、そして塾の選び方などを徹底解説します。
ほかにも
- みんなはいつから受験勉強を始めたの?
- ぶっちゃけ高校生の塾って、費用はどれくらいかかるの?
といった疑問についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそも大学受験に塾は必要か
結論から言うと、大学受験に塾は必ずしも必要ではありません。
通塾することで、受験資格が得られるわけではありませんし、独学で合格したという声も、インターネット上では散見されます。
また、国立青少年教育振興機構が行った調査*でも、高校生の通塾に関する質問では、77.1%が「(塾に)通っていない」と回答しています。
しかし、裏を返せば、約22~23%の生徒(4~5人に1人)は通塾しているということになります。
さらに言えば、この回答が進学希望か、就職希望かといった絞り込みがなされていない点、高校2年生を対象としている点にも注意しなければなりません。
受験意識が高まる高校3年生や、学習意欲が高い傾向にある進学希望者などに照準を合わせると、より数字が増えることが予想されます。
そのため、必須ではないにしろ、一定の生徒は大学受験に向けて塾を利用していると言えます。
大学受験のために塾に通うメリット・デメリット
では、大学受験のために塾に通うメリット、デメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
大学受験のために塾に通うメリット
まず、メリットとしては以下のようなものが挙げられます。
- 学校や自習だけでは得にくい受験情報が手に入る
- 専門的な知識のある講師から、進路や学習方法のアドバイスが受けられる
- 数ヵ月以上にわたる受験期間中のモチベーションが保てる
学校や自習だけでは得にくい受験情報が手に入る
塾は受験情報を多く蓄積しています。
大学受験の仕組みは複雑化しており、国公立大学と私立大学の入試の違いや、AO、推薦、一般などの入試方式の違い、さらには前・中・後期の日程による違いなどを理解する必要があります。
おそらく学校でも受験情報を提供していますが、志望校別の傾向や対策、過去の受験者の模試判定の推移といった、より具体的な情報などはなかなか持ち合わせていないでしょう。
こうした受験情報をもとに相談ができるのが、塾に在籍する大きなメリットとなります。
専門的な知識を持つ講師から、進路や学習方法のアドバイスが受けられる
大学受験に対応している塾の講師は、これまでに受験生を指導してきた経験や実績があり、学校の先生と比べると、より専門性が高いと言えます。
実は、学校の先生の仕事で最も負担が大きいのは、「校務分掌に係る業務(総務や教務)」や「学年・学級経営(教育計画の立案や保護者連絡など)」というアンケート結果*があり、授業や進路指導だけにとどまらないことがわかります。
もちろん学校の先生は、相談や質問をすれば答えてくれるでしょうし、授業以外に自習で取り組んでいるテキストなどにも対応してくれると思いますが、一方で「先生も忙しい」という現実があることも知っておいたほうが良いでしょう。
数ヵ月以上にわたる受験期間中のモチベーションが保てる
大学受験では、数ヵ月、もしくは1年以上にわたり、モチベーションを維持する必要があります。
6~7月ごろに国公立・私立大学ともに募集要項が出始め、部活動を引退する7~8月には多くの生徒が受験を意識し始めます。
そして、入試の後期日程までを考えると、翌年の3月まで受験シーズンは続くため、かなり長いスパンを見すえなければなりません。
独学の場合、この期間を自分1人で乗り切らなければならず、強い精神力が必要になってきます。
その点、塾には講師がおり、塾によっては、志望校のレベルが近い塾生も在籍しています。
勉強そのものは「自分との戦い」ですが、周囲に刺激となる存在がいるかどうかは、戦い続けるモチベーションに少なからず影響するでしょう。
大学受験で塾に通うデメリット
一方で、以下のように、塾に通うことで発生するデメリットもあります。
- 平均10万円以上の費用がかかる
- 自習の時間が減ってしまうかもしれない
平均10万円以上の費用がかかる
通塾のデメリットといえば、やはりお金です。
以下の表を見ていただきたいのですが、これは文部科学省が平成30年に調査*した学習塾費の平均 です。
高校生の「学習塾費」の平均は、全学年でおよそ10~12万円、受験意識が高まる高校3年生だけを見ると、公立校でおよそ15万円、私立校ではおよそ18万円になります。
高校生の「学習塾費」平均(年間、単位:円)
全体 | 1年生 | 2年生 | 3年生 | |
公立 | 106,884 | 71,534 | 98,567 | 150,650 |
私立 | 129,313 | 85,200 | 120,636 | 183,807 |
ちなみに、この数字はあくまで平均であること、また、進学希望か、就職希望かといった絞り込みがなされていないことを考慮すると、さらに費用が大きくなる可能性も否めません。
通塾には、これぐらいの費用が発生することは意識しておきましょう。
塾代が高いと思ったらこちら↓
自習の時間が減ってしまうかもしれない
通塾することで、自習の時間はおそらく減ってしまうでしょう。
放課後の時間を塾で過ごすことになるため、自由な時間が減ってしまうという見方もできます。また、宿題や課題が出される塾もあるため、帰宅後も勉強漬けになるかもしれません。
ただし、勉強することを強制されることは、メリットともいえます。
家にいると、ついダラけてしまったり、スマートフォンを触ってしまったり、YouTubeやTiktokを見たり、さっきも見たのにInstagramやTwitterを更新してみたりしてしまうかもしれません。
そういう方は、受験期間中は、塾に強制してもらうのもアリかもしれませんね(笑)。
みんなは何年生から通う? 受験勉強はいつから本格化?
ほかの記事でも活用したデータですが、マイナビが高校生向けに行った「進学意識と進路選択に関するアンケート*」の結果から、高校生が通塾し始める時期について紹介します。
【塾・予備校に通っている方へ】いつごろから通っていますか?
高校1年の春から 50.8%
高校3年の春から 7.3%
高校2年の春から 7.2 %
高校1年の夏から 7.0%
(以下略)
アンケートでは、回答者の半分が「高校1年の春から」と、かなり早い段階から通塾していたことがわかります。また、回答者の約8割が、高校卒業後の進路として「大学」を検討していると答えています。
そして、受験勉強の本格化についても、マイナビの「受験勉強を始めたタイミング」に関するアンケート*で、「全く勉強しなかった」という人を除くと、
受験勉強の本格化について
高校3年生の春……72人(18.0%)
高校3年生の夏……52人(13.0%)
高校2年生の冬……36人(9.0%)
高校1年生の春……25人(6.3%)
(以下略)
という結果になっています。
やはり受験勉強を本格的に始めるのは高校3年生、遅くとも高校3年生の夏にはみんな受験勉強を開始しているようですね。
大学受験のための塾の選び方
では、大学受験のために塾に通うのであれば、どんなポイントで選べば良いのかを紹介していきます。
ポイントは以下の4つです。
- 進学塾か
- 志望校への合格実績はあるか、それは信頼できる実績か
- 志望校の受験科目、およびレベルに対応しているか
- 入塾テストを実施しているか
進学塾か
まず進学塾かどうかを基準にしましょう。
進学塾とは、補習塾と比較して、受験に特化した指導を行う塾を指します。
カリキュラムは、受験の日程や志望校のレベルから逆算して組まれることが多く、学校の進度とは少し離れてしまうこともありますが、その分スピード感をもって学習を進められます。
見極める方法として、例えば
「ホームページなどで“進学塾”を掲げている」
「合格実績や数字による結果などを掲示している」
などが挙げられます。
進学塾のメリット・デメリットについてはこちら↓
志望校への合格実績はあるか、それは信頼できる実績か
進学塾か、のポイントでも少し紹介しましたが、合格実績は重要です。
まずは志望校、もしくは同レベルの大学への合格実績があるかどうかを見ましょう。
そこに合格者を輩出しているようであれば、そのレベルの学校の傾向や合格させるためのノウハウを持っていると考えられます。
また、過去の受験者を知っているという点で、具体的なアドバイスを受けられることも期待できます。
ただし、数字だけを鵜呑みにしてはいけません。
「教室の合格実績なのか」「塾グループ全体の実績なのか」という点、また、「延べ人数」といって、1人の生徒が複数学校に合格した実績を、各学校実績として1名ずつ計上している場合もあります。
両者とも合格しているという点では変わりませんが、事前に確認しておくと良いでしょう。
志望校の受験科目、およびレベルに対応しているか
「受験科目が非対応だなんて、間違えるわけないだろう~」と思うかもしれませんが、対応科目はきちんと確認しておきましょう。
入塾時には特に意識していなかったとしても、受験シーズンに入り、受験校や受験科目が予定より増えた場合も対応してもらえると安心ですよね。
また、対応科目として紹介されていても、塾によっては、その一部を講師による直接指導ではなく、映像指導で行っているところも少なくありません。
もちろん映像指導が良くないといった話ではなく、自分が期待していたものとのミスマッチが起こることが問題ですので、気になった場合には質問しておきましょう。
そして、規模の大きい塾は、学力や志望校別にクラス分けをしているところがあります。
入塾した際に、自分がきちんと志望校を目指せるレベルのクラスで勉強ができるのか、クラスの雰囲気や指導内容なども含めて確認しておきましょう。
すでに通塾中の場合でも、他の塾が志望校対策を行っている場合は夏期講習だけ違う塾に行ってみるのもアリです。
入塾テストを実施しているか
入塾テストについては、あくまで参考程度に紹介します。というのも、進学塾の有名大学進学コースなどでは、入塾者数を絞り込むために、入塾テストが行われるからです。
ただし、入塾テストがあるから優れている、ないからダメ、ということではないので、その点はご注意ください。
塾ログに掲載中の塾
ここからは、当サイト「塾ログ」に掲載している、関東・中部・関西・九州エリアにある塾を、集団指導・個別指導に分けて紹介します。
興味を持った塾には、そのまま問い合わせや資料請求をしていただけますし、「へえ~、こういう塾があるのか~」と参考にしていただければ幸いです。
「塾ログ」掲載の塾 集団指導
臨海セミナー 大学受験科
臨海セミナー 大学受験科は、東京、神奈川、千葉、埼玉など関東を中心に教室を展開しています。
コースは
- 定期テストサポート
- 私立大学受験
- 国公立大学受験
- 東大受験
- 個別指導 高校生(個別指導)
を提供。
さらに、志望校別や目的別にカリキュラムが分かれており、
- 早慶上智大合格プロジェクト
- MARCH合格プロジェクト
- 国公立大合格プロジェクト
- 基礎から始める大学受験
- 推薦入試対策
などがあります。
合格実績は、東京大学、早慶上智、MARCH ほか。
授業料は8,980円~となっています。
興味を持った方はこちらからどうぞ
→臨海セミナー 大学受験科
佐鳴予備校
佐鳴予備校は愛知、静岡を中心に教室を展開しています。
コースは、おもに
- 高等部大学受験科
- さなる個別(個別指導)
を提供。
合格実績は、東京大学や早慶上理のほか、名古屋大学、静岡大学、南山大学など。
料金については、お問い合わせください。
興味を持った方はこちらからどうぞ
→佐鳴予備校
鷗州塾
鷗州塾(おうしゅうじゅく)は広島、大阪、岡山、山口 に教室を展開しています。
コースは
- 鷗州塾 高校部
- 鷗州合格必達個別ゼミ(個別指導)
- 映像Web講座(映像指導)
を提供。
合格実績は、東京大学や京都大学、大阪大学のほか、広島修道大学や同志社大学など。
料金については、お問い合わせください。
興味を持った方はこちらからどうぞ
→鷗州塾
英進館高等部TZ
英進館は九州地方を中心に教室を展開している塾で、「英進館高等部TZクラス」(コース)では対面形式での集団授業を行っています。
合格実績は、東京大学や京都大学のほか、九州大学、福岡大学、西南大学など。
授業料は27,500円~となっています。
興味を持った方はこちらからどうぞ
→英進館高等部TZ
「塾ログ」掲載の塾 個別指導
個太郎塾
個太郎塾は、東京、千葉、神奈川、埼玉のほか、茨城や長野などにも教室を展開しています。
大学受験対策としては、
- ウイングネット(映像指導)
- ベーシックウイング(映像指導)
- 1対2つきっきり個別指導
が受講可能。
合格実績はグループで、東京大学、一橋大学、早稲田大学、慶應義塾大学など。
授業料は「1対2つきっきり個別指導」で、高校生の場合、16,300円~となっています。
興味を持った方はこちらからどうぞ
→個太郎塾
名学館
名学館は愛知を中心に、全国に教室を展開。高校生向けには1対1~3の個別指導を提供しています 。
料金など詳細については、お問い合わせください。
興味を持った方はこちらからどうぞ
→名学館
ゴールフリー
ゴールフリーは京都、大阪など関西を中心に教室を展開しています。
高校生向けには、おもに
- 高校生対象コース
- 高校生まるごとコース
を提供。
合格実績は、京都大学や大阪大学のほか、同志社大学や関西学院大学など。
料金は17,000円~となっています。
興味を持った方はこちらからどうぞ
→ゴールフリー
対話式進学塾1対1ネッツ
対話式進学塾1対1ネッツは、福岡や長崎など九州を中心に、中国、四国および東京にも教室を展開しています。
コースは
- 大学入試準備コース
- 【評定アップ】推薦入試対策コース
- 学校別対応 授業・課題サポートコース
- 数英理基礎コース
- 国公立大入試対策コース(1対1、 1対1+AI)
- 私立大入試対策コース(1対1、1対1+AI)
- 授業・課題サポートコース
を提供。
合格実績は、東京大学や京都大学のほか、九州大学、早稲田大学、同志社大学など。
料金など詳細については、お問い合わせください。
興味を持った方はこちらからどうぞ↓
→対話式進学塾1対1ネッツ
塾と予備校の違いは?
塾と予備校は、ともに大学受験合格を目指すうえで強力なサポートをしてくれますが、両者に違いはあるのでしょうか?
比較した記事がこちらになりますので、ぜひご覧になってみてください。
まとめ
大学受験における塾の必要性について紹介しましたが、塾に通うことで、受験情報が手に入ったり相談ができたり、モチベーション維持にも役立つなど、さまざまなメリットが得られるのも事実です。
この記事を読んでくれたキミの悩みが少しでも解消され、大学受験に向けた一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
また、タイプに合わせた大学受験用の塾の選び方はこちらの記事をご覧ください。
参考:
*平成25年6月 「子どもの読書活動と人材育成に関する調査研究」【青少年調査ワーキンググループ】報告書 国立青少年教育振興機構
*平成24年2月「教員の多忙感に関するアンケート調査(検証)」報告書 栃木県教育委員会
*令和元年12月 平成30年度子供の学習費調査 文部科学省
*平成27年8月 高校生のライフスタイル・興味関心アンケート マイナビ進学
*平成28年1月 「東大生も意外と遅い?現役大学生に聞いた、「受験勉強」を始めたタイミングっていつだった?」 マイナビ学生の窓口