進学塾とは|学習塾、補習塾との違いや、メリット・デメリットを紹介!
2020.12.28
塾には、総合塾、専門塾、補習塾などさまざまな種類がありますが、ここでは「進学塾」を取り上げます。
進学塾の概要から、ほかの塾との違い、メリット・デメリット、 そして、どんな生徒に向いているのかなど、一つずつ紹介していきます。
ぜひ、この記事を参考にして、お子さまに最適な塾を選んであげてくださいね。
目次
進学塾とは
進学塾とは、受験対策に特化した指導を行う塾を指します。
集団指導の形式をとることが多く、カリキュラムは受験の日程や志望校のレベルから逆算して組まれるのが特徴です。
学校の進度とは少し離れてしまうこともありますが、その分スピード感と、明確な目標を持って学習を進められます。
在籍する生徒も、成績優秀な子が多いです。
規模が大きい塾は、中間くらいの成績の生徒まで受け入れることもありますが、そういった塾でも、入塾の可否を決める「入塾テスト」が実施されたり、毎月、小テストの成績に応じてクラス替えを行ったりします。
そして、宿題やオプション講習が多いことも挙げられます。
こなさなければならない宿題が多いため、自宅学習で手持ちぶさたになることはあまりないでしょう。
夏休みや冬休みなどの長期休暇期間には、季節講習を行うところが多く、塾によっては泊まり込みの勉強合宿を開催するところもあります。
進学塾とほかの塾との違い
まず、「学習塾」との違いについてですが、進学塾は「学習塾」の中にある1つの種類です。
「学習塾」という大きなくくりがあり、その中に進学塾や総合塾、専門塾、補習塾などがあります。
そして、進学塾とよく対比されるのが「補習塾」です。
「補習塾」とは、学校の授業の進度に合わせて学習をサポートする塾のことで、“難関校合格!”というよりも、学校の授業の復習や定期試験対策などに力を入れています。
進学塾以外のそれぞれの塾の詳細については、別の記事で紹介しているので、詳しくはそちらをご参照ください。
進学塾のメリット・デメリット
進学塾のメリット
進学塾には、以下のようなメリットが挙げられます。
- 受験に強い
- 受験までリードしてくれる
- 競争心が芽生えやすい
受験に強い
まず、進学塾の一番のメリットは「対受験」の強さです。
そもそもカリキュラムが受験から逆算して作られているため、生徒が授業を理解して学習できれば、着実に合格へと近づくことができます。
そして、多くの進学塾では、難関校からいわゆる“滑り止め”まで、多くの学校の入試傾向や対策情報を蓄積しています。
これは、補習塾などと比較すると、通塾する生徒の志望校レベルから、どうしても情報量に差ができる部分であり、進学塾特有の強みといえます。
受験までリードしてくれる
進学塾は、受験までリードしてくれます。
授業は集団指導中心で、宿題も多く、受験のために組まれたカリキュラムをもとに講師が主導してくれるので、非常に頼りになる存在です。学習範囲がどんどん進んでいくスピード感も、好奇心旺盛な子にとってはメリットとなるでしょう。
ただし、塾にすべてを丸投げするのはあまりオススメできません。
確かに、進学塾は心強いパートナーですが、後述する「勉強+宿題漬け」や「競争」 からくる子どもの負担感 や疲労感については、家庭でのフォローも重要となります。
競争心が芽生えやすい
進学塾の多くは、
「集団指導形式である」
「クラス替えなどがある」
ことから競争心が芽生えやすい環境です。
受験のゴールや、その後の未来をイメージするのが苦手で、勉強の意味をすぐに見出せないという子であっても、同じ塾に通う友達や仲間に勝ちたいという気持ちが勉強のモチベーションにつながるでしょう。
また、下位クラスから上位クラスを目指すというのもわかりやすい目標になります。こちらも同様に、モチベーション維持に一役買ってくれるでしょう。
進学塾のデメリット
一方で、進学塾では、以下のようなデメリットが挙げられます。
- 勉強+宿題漬けになる
- 競争に疲れてしまいがち
- 費用が高い
勉強+宿題漬けになる
進学塾は、基本的に勉強量がかなり多いです。
放課後はもちろんのこと、土日にも授業があったり、さらには帰宅後にやらなければならない宿題も多かったりと、まさに勉強漬けになります。
部活動やほかの習い事との両立はできないとまでは言いませんが、一定の学力は求められると考えたほうがいいでしょう。
ただし、方針は塾によってさまざまです。
ひとくちに進学塾は勉強量が多いといっても、応用問題もこなせるようにする塾や、反復学習で定着を狙う塾、テキストをもとに自分で思考させる塾、ひたすら量をこなす塾など、それぞれの塾に方針や狙いがあります。
そのため、勉強量だけに驚かず、その狙いも含めて把握しておくと、違った見方ができるでしょう。
競争に疲れてしまいがち
進学塾の、競争心を刺激する仕組みは、ときにはデメリットにもなり得ます。
上を目指し、周囲と切磋琢磨することは悪いことではありませんが、結果次第では友達との差に落ち込んでしまうことも。
また、競争に勝っていたとしても、その結果に満足しきってしまう、いわゆる「燃え尽き症候群」や、負けられないというプレッシャーなど、精神的負担になる要素はいくつか考えられます。
そのため、子どもの変化をよく観察し、疲れている場合には適度な休息や気分転換もさせつつ、塾を活用するのがベターといえます。
費用が高い
費用の高さも進学塾のデメリットです。
一般的に、
- 集団指導塾の方が安い傾向にある
(参照:集団指導塾とは) - 集団指導塾では「生徒一人当たりの人件費」は下がる
(参照:「塾代が高い」となげくお母さん必読!塾の費用が高いワケと抑える方法を紹介)
と、ほかの記事でお伝えしていますが、進学塾では講師のほか、テキストや受験のサポートにも力を入れているため、さらに費用が高くなる傾向があります。
トータルの費用の高さは、家計の痛手になりますが、支払ったからには使い倒してやる!くらいの意気込みで通塾するのが良いかもしれません。
進学塾が向いている生徒
子どもを進学塾に通わせるかどうか悩んだ際には、
- 一定の学力がある
- 興味や好奇心が旺盛
といった点を基準に、検討してみるとよいでしょう。
まず、一定の学力があるということは、基礎が身についていると判断できます。
そのため、集団指導形式でも遅れをとらずに、スピーディーに学習を進められ、時間に余裕ができた時には応用問題にもチャレンジできます。進学塾の強みを生かした学習スタイルを構築できるでしょう。
また、興味や好奇心が旺盛な子も、進学塾には向いています。
進学塾は、未習範囲を学校の授業よりも先んじて勉強できるため、そこに楽しさを感じられるはずです。
それに、一度習ったことよりも、新しく習うことの方が興味を持ちやすいでしょうし、難関校で求められる発想力を鍛える問題にも、きっと好奇心をくすぐられます。
ただし、楽しむためにはある程度の余裕も必要です。
お子さまの学力とかけ離れたハイレベルな塾ではなく、中間クラスのある塾を選ぶなど、柔軟に検討した方がよいでしょう。
進学塾かどうかを見極める方法
検討している塾が、進学塾かどうかを見極める方法としては、例えば
- ホームページなどで“進学塾”を掲げている
- 合格実績や数字による結果などを掲示している
- 入塾テストやクラス分けテストを実施している
- 成績が優秀な子が多い
- 難関校受験の特化コース・特化講習がある
などのポイントが挙げられます
(ただし、これらを1つでもやっていれば必ず進学塾というわけではありませんので、あくまで参考程度にお考え下さい)。
「合格実績や数字による結果などを掲示している」については、補習塾ではそこまで大きく掲げていないところもあります。受験対策に強みを持つ進学塾だからこそ、大きく推したいポイントともいえるでしょう。
「入塾テストやクラス分けテストを実施している」「難関校受験の特化コース・特化講習がある」というのも、進学塾や進学対策を実施している塾ならではといえるでしょう。
生徒数がある程度の規模になると、講師の目の届く範囲がどうしても限られてしまいます。また、集団指導形式で、生徒の学力や志望校レベルに大きな差があると、授業やカリキュラムに乱れが生じかねません。
受験というゴールに向け、授業をどんどん進めていくためにも、進学塾の多くではこういった一定の基準を設けています。
まとめ
進学塾は、受験対策に特化した指導を行う塾です。
受験に強かったり、競争心が刺激されたりなどのメリットがありますが、勉強量や費用などではデメリットもあります。
お子さまとの相性やご家庭の事情も含めて、検討するようにしましょう。
こちらの記事では、他の指導形式や塾の規模による違いを紹介しています。
ぜひぴったりな塾選びの参考にしてみてください。