「塾に行きたくない…」と子どもが言い出す原因と親がとるべき対応方法

2020.11.13

「塾に行きたくない…」と子どもが言い出す原因と親がとるべき対応方法

「塾に行きたくない…」と子どもが言い出したら、親は複雑ですよね。

「何を言ってるんだ!」と無理やりにでも行かせようとしたり、はたまた「このまま通わせても塾代がもったいないよな…」と思って、辞めさせるべきか考えてしまったり…。

本記事では、子どもが「塾に行きたくない」と言い出す原因と、親がとるべき対応についてご紹介します。

塾に行きたがらない原因

子どもが塾に行きたがらない、おもな原因としては、

  • 部活動が忙しい
  • 勉強が嫌い
  • 通っている塾が嫌い
  • いじめ

が挙げられます。それぞれ詳しく解説していきます。

部活動が忙しい

部活動が忙しいと、通塾に影響します。

文化庁の調査*によると、部活動に所属する中学生の約8割は平日に1~3時間活動し、6割強は平日の休みが週に1回以下となっており、土日においても、文化部では吹奏楽部、運動部では野球部を筆頭に、多くの部活動で長時間の練習が行われていることがうかがえます。

また、スポーツ庁の調査 *では、中高生の「部活動や学校生活での悩み」について「部活動の時間・日数が長い」や「学業との両立」が高い割合を示しています。

これらを踏まえると、部活動に所属している生徒のほとんどが、平日は授業後に部活動を数時間行い、さらに休みが少ない状態であることがうかがえます。その忙しさに疲れてしまい、塾に行きたくなくなっている可能性があります。

勉強が嫌い

勉強の好き嫌いも、通塾の意欲に関わるでしょう。

国立教育政策研究所の小中学生を対象とした調査 *では、「勉強が好き」「勉強は大切だ」「学習したことは、将来、社会に出たときに役に立つ」と考えている子どもほど、正答率が高い傾向にあることが示されています。

裏を返せば、勉強が嫌いな子どもは、勉強が苦手である傾向や勉強の重要性を低いと感じていることなどが予想されます。

「嫌いなうえに苦手で、重要でもない」と感じている勉強を、なかば“強制する”場所である塾に、子どもが「行きたくない」と考えてしまうのは無理のないことなのかもしれません。

通っている塾が嫌い

塾が嫌いになることも、子どもが塾に行きたくなくなる原因の一つです。

具体的には「講師との相性」や「授業の進度や難易度」「指導形態」などが要因として挙げられます。

講師との相性

子どもと講師との相性が悪いと、塾に行くのを嫌がってしまうことがあります。

可能性としては、「講師が怖い」「指導がわかりにくい」「なんとなく嫌い」などの要因が挙げられます。

授業の進度や難易度が合わない

塾での学習内容と、学校の授業や自身の学力に大きな差があると、塾に行くのがおっくうになりかねません。

塾の学習内容が物足りない場合は「つまらないなあ」と感じ、逆に授業についていけない場合は「全然わからないのでつらい」と感じる可能性があります。

少し古い調査にはなりますが、国立教育政策研究所内 学習意欲研究会の「学習意欲に関する調査研究」* によると、中学生では、「授業がよく分からないとき」に7割以上が、「授業がつまらないとき」に9割以上が学習意欲を失ってしまうというデータもあります。

指導形態が合わない

塾の指導形態は、集団指導や個別指導のほかに、映像指導、自立学習などもあります。それぞれにメリット、デメリットがあり、同時に子どもとの相性もあります。

相性が良くない例として、「集団指導の緊張感に耐えられない」「個別指導は講師と距離が近いことが苦手」などが挙げられます。

いじめ

他の生徒との関係が原因で、子どもが塾に行きたがらない場合もあります。

いじめを受けているなど深刻な事態に陥っていることもあるようで、インターネットの質問サイトでは相談が複数見受けられました。

過去には、学校や塾でいじめを受けていた中学生が、自ら命を絶ってしまった事件*もあり、いじめが原因であれば 、転塾するなど早急に対応すべきと言えます。

親がとるべき対応は「対話」

塾に行きたがらない子どもに対して親がとるべき対応は、まずは子どもとしっかり話し合うことです。

どうして塾に行きたくないのか、正直な気持ちを語ってくれるように声をかけ、話をていねいに聞きましょう。そして、親自身が思っていることもしっかりと伝えましょう。

文部科学省が公開している「家庭教育手帳」 *には、親子で話し合うことの大切さを示す以下のような記述があります。

自分の思いや考えを押しつけるのではなく、「あなたはどう思う?」と、まず子どもの言い分をじっくり聞き、子どもの気持ちをしっかり受け止めてから、「自分はこう思うんだが」と、一緒に考え一緒に学んでいく姿勢が大切です。

夫婦の間、親子の間での会話を増やしていくことが、家庭づくりのすべての基礎になります。ほんとうは夫婦でも親子でも何でも話せる仲でありたいものです。

このように話し合ったうえで、悩みを解決するための具体的な提案をすることが必要です。

対応と提案の具体例

ここで「塾に行きたがらない原因」に挙げたもので、提案の一例をいくつかを挙げていきます。

「部活動が忙しい」の場合

例:ハードな部活動に所属しており両立が大変。しかし、部活動は手を抜きたくない。

→週の受講コマ数を1つ減らすなど、スケジュールに余裕を持たせる。コマ数を減らした後のカリキュラムは、塾の講師や教室長と改めて話し合う。

「勉強が嫌い」の場合

例:親に言われて塾に通っているが、勉強が嫌いで行きたくない。

塾の必要性を改めて確認し合う。不要となった場合は退塾、必要となった場合でも転塾などを視野に入れる。ささいなことでも成長をほめ、勉強の楽しさを実感させてくれる塾を探す。

「通っている塾が嫌い」の場合

例:集団指導塾に通っているが、授業のスピードが速く、まったくついていけなくなってしまった。

→クラス替えや授業のレベルの変更ができない塾の場合、転塾を考える。また、この先も集団指導の授業についていけるか心配ならば、進度を細かく調整できる個別指導塾なども視野に入れる。

「いじめ」の場合

例:塾で数人の生徒からいじめを受けている。塾側はおそらく事実を知らない。

→まずはいじめの詳細、事の重大さを塾に伝える。塾側が誠意ある対応を見せ、安心して塾に通える環境が整いそうであれば通塾を続ける。そうでない場合は、退塾や転塾を検討する。

 

そして、提案についての子どもの考えもしっかりと聞き、再び話し合いましょう。話し合いのなかでお互いにわからない点があれば、塾に相談してみるのもよいでしょう。

まとめ

子どもが塾に行きたくないと言い出したら、まずは親子でしっかり話し合いましょう

繰り返しになりますが、まずは子どもの悩みを聞き、親子で対話を重ねていくことが大切です。そして、子ども自身がこれからどうするかを決断できたら、その決断を尊重し、サポートしましょう。

参考:

*文化庁 令和2年3月 文化部活動等の実態調査報告書
*スポーツ庁 平成30年3月 運動部活動等に関する実態調査報告書
*文部科学省 国立教育政策研究所 平成25年12月 全国学力・学習状況調査報告書クロス集計
*国立教育政策研究所内「学習意欲研究会」 平成12~13年度 「学習意欲に関する調査研究」概要
*日本経済新聞 平成25年4月 中2転落死で校長ら処分 浜松、「いじめ背景」受け
*文部科学省 平成22年 家庭教育手帳 小学生(高学年)~中学生編(イキイキ子育て)